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1996 Fiscal Year Annual Research Report

頭部外傷例における軸索損傷の法医病理学的研究

Research Project

Project/Area Number 08770304
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

岩楯 公晴  東京大学, 医学部, 助手 (90251222)

Keywords頭部外傷 / びまん性脳損傷 / びまん性軸索損傷 / 免疫組織化学
Research Abstract

1.平成6年度以降、当教室で司法解剖された症例のうち、臨床的にびまん性脳損傷と診断されていた症例は2例(ともに乳児例)、臨床診断はなされていないが、びまん性脳損傷に肉眼所見の一つとされる脳梁出血を認めた症例が1例であった。これらの症例に対し、一般的なH.E.染色の他、クリューバー・バレラ、ボディアン染色等の特殊染色、抗ニューロフィラメント、抗GFAP抗体等を用いた免疫染色を行った。
2.乳児例のうち、受傷後死亡までの経過が数ヶ月である1例においては、びまん性脳損傷の一つの形態であるびまん性軸索損傷diffuse axonal injury (DAI)の陳旧性所見とされるグリオーシスやマクローファージの集族等を認めた。一方、受傷後死亡まで経過が短い(数時間以内)その他の2例では、DAIに特徴とされる軸索の腫大像(retraction ball)は検出されず、軸索損傷の有無は組織学的には明らかでなかった。
3.一般に、受傷(びまん性脳損傷の発生)後、組織学的にDAIに特徴的な所見が認められるのは、半日から数週の間とされ、今回の結果もそれに矛盾するものではない。しかし、剖検例においては、受傷後短時間で死亡に至る症例や、経過の長い症例では脳死状態に陥り、(脳の軟化が高度のため)組織学的検査自体が不可能なものが大部分を占め、典型的なDAIを示す症例はまれと考えられた。
4.症例数が非常に少数のため、系統的な解析は不可能であったが、乳児例2例については、びまん性脳損傷の発生機転の観点から、法医学東北談話会 第83回例会(平成8年10月25,26日、青森)において「child abuseの2例」として症例報告の形で発表した。今後は症例数をさらに増やし、より詳細な検討を行う予定である。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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