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1996 Fiscal Year Annual Research Report

LECラットをモデルとした肝疾患における鉄の肝細胞毒性の機序と対策に関する研究

Research Project

Project/Area Number 08770406
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

矢野 元義  名古屋大学, 医学部, 助手 (00281460)

KeywordsLECラット / 劇症肝炎 / 鉄 / 瀉血
Research Abstract

5週齢雌性LECラットに対し、1ml/体重100gの瀉血を週2回繰り返すことにより、ヘマトクリット値35-40%と正常の80%程度の値を示し、鉄欠乏状態を維持する実験系を確立することができた。これらを、LECラット用飼料(鉄含有量0.16mg/g)で飼育し、上記の瀉血施行群と2週に1回1mlの採血検査を施行した対照群において、劇症肝炎の発生率、劇症肝炎による死亡率を検討したところ、両群ともに17週齢より発黄し、劇症肝炎の発症率には差は見られなかったが、死亡率には対照群で20例中8例、瀉血群で18例中1例と、有意な差を認めた。また、対照、瀉血両群のうち肝炎劇症化を免れて生き延びたLECラット、両群各5匹に27週齢の時点で肝生検を施行し、肝組織中の鉄、銅の含有量を測定したところ、両群間で、銅の含有量には有意差を認めなかったが、鉄の含有量は、対照群788μg/g dry liver weightに対し、瀉血群で344μg/g dry liver weightと、瀉血群で有意な低下を認めた。このことから、劇症肝炎による死亡率の低下は、瀉血による肝組織中鉄蓄積量の減少に起因するものと考えられた。その後、現在、両群の生存例において、肝癌の発生率の検討を行っているところである。また、この2群間で劇症肝炎の発生率に差が見られなかったため、鉄含有量0.07mg/g、0.035mg/gと2段階の鉄含有量の少ない飼料を作成し、それらによる飼育下での瀉血施行群と対照群での劇症肝炎発生頻度の差の比較検討を現在、行っている。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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