1996 Fiscal Year Annual Research Report
点頭てんかんにおける神経ステロイドの役割に関する検討
Project/Area Number |
08770558
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 克美 大阪大学, 医学部, 助手 (20273659)
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Keywords | 点頭てんかん / ACTH療法 / 神経ステロイド / DHEA / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
点頭てんかんにおける神経ステロイドの果たす役割の検討 【目的】 点頭てんかんの発症メカニズム、ACTH療法の作用機序は未だに明らかにされていない。これらの謎をとく手掛かりとして、脳内神経ステロイドdehydroepiandrosterone(DHEA)の果たす役割に注目し、検討した。 【方法】 1)点頭てんかん5例の髄液DHEA濃度の測定。方法は、^3H-DHEA、抗DHEA抗体を用いたRIA法を用い、発達遅滞、変性疾患、髄膜炎、てんかんなど8例をコントロールとして比較検討した。 2)ラットのACTH療法モデルにおける脳内神経ステロイド動態の検討。予備実験として、SD系ラット大脳皮質にin vivo microdialysis用プローブを留置し、1μl/minで40分間40μlのサンプルを回収の後、けいれん誘発剤であるpentylenetetrazole (1μM)を20分間潅流した。その後40μlのサンプルを2回回収した。合計3サンプルにつきDHEA濃度を方法1)と同じRIA法により測定した。 【結果】 1)点頭てんかん5例の髄液DHEA濃度は、測定感度の0.1ng/mlを下回っていた。 コントロールは、多発性硬化症0.95ng/ml、化膿性髄膜炎0.16ng/ml、けいれん群発0.10ng/mlで上昇を認め、残り5例は感度以下であった。ACTH療法中の髄液DHEA測定は、両親からインフォームドコンセントが得られず施行できなかった。 2)ラット大脳皮質潅流液中のDHEA濃度は、すべて測定感度の1ng/mlを下回っていた。 【まとめ】 1)点頭てんかんでは、髄液DHEA濃度の上昇を認めなかった。ACTH療法中の髄液DHEA濃度については今後の検討課題である。 2)ラットの大脳皮質のin vivo dialysis潅流液中のDHEA濃度は、サンプル量が少なく、低濃度であるため、より高感度な測定系をを用いる必要があった。
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