1996 Fiscal Year Annual Research Report
銅転送ATPaseの脳での局在とMenkes病の中枢神経障害の解析
Project/Area Number |
08770579
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
飯塚 雄俊 帝京大学, 医学部, 助手 (30281372)
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Keywords | Menkes病 / macularマウス / 銅転送ATPase / mottled gene |
Research Abstract |
正常マウスおよびMenkes病モデルマウスであるmaclarマウス脳でのMenkes病の病因遺伝子(マウスではmotteled gene)の発現をノーザンブロットおよびin situ hybridization法で検討した。 方法 1)正常およびmacularマウスの脳組織からRNAを抽出し、ノーザンハイブリダイゼーションをmottled cDNAから作成した^<32>P標識DNAプローブを用いて行なった。 2)Mottled cDNAからDIG標識RNAプローブを作成し、正常およびmacularマウスの脳組織切片上でin situ hybridizationを行った後、AP標識抗DIG抗体で染色し、mottled mRNAを検出した。 結果および考察 1)ノーザンブロット法において正常とmacularマウスでは位置、強度ともに差はなかった。 2)In situ hybridization法で、正常マウスの大脳では海馬の錯体細胞、脈絡叢上皮細胞で強く検出され、また小脳においてはPurkinje細胞および顆粒細胞が強く染色された。すなわち、これらの細胞ではMenkes ATPaseが発現し、細胞内銅輸送に関与していることを示唆する結果であった。しかし、血管内皮細胞やアストロサイトはほとんど染色されなかった。Macularマウス脳でも正常と同様に海馬の錯体細胞、脈絡叢上皮細胞、Purkinje細胞および顆粒細胞が強く染色された。 今回、望ましい抗体が入手できず、免疫組織学的検討はできなかったが、macularマウスで検出されたmottled mRNAは正常なMenkes蛋白を合成していないと考えられた。Menkes病患者ではPurkinje細胞や海馬の錯体細胞の障害が特に強く、今回の結果はこの病状と一致していた。
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Research Products
(1 results)