1996 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple Sulfatase Deficiencyの分子生物学的病因解明
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08770584
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
黒澤 健司 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科, 助手 (20277031)
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Keywords | アリルスルファターゼA / GST融合蛋白質 / Multiple sulfatase deficiency (MSD) / 線維芽細胞 / SDS-PAGE |
Research Abstract |
平成8年度はアリルスルファターゼAのアミノ酸構造の内、翻訳後修飾として2-アミノ-3プロピオン酸に置換されているアミノ酸配列69番目のシステイン残基、およびその近傍と結合反応する物質をSDS-PAGEで確認した。はじめに、ヒト線維芽細胞から抽出したRNAより逆転写反応によってアミノ酸コード領域全体を含むアリルスルファターゼAのcDNAを作成し、融合蛋白質が正しく発現されるように読み取り枠をあわせ、GSTの発現ベクターであるpGEX-2Tに組み込み、サブクローニングした。融合蛋白質を大腸菌で大量に産生させて、グルタチオンビーズで融合蛋白質を回収精製した。同様の過程でアリルスルファターゼB、CそれぞれについてもGSTとの融合蛋白質を大量に生成し、グルタチオンビーズ上に回収精製した。それぞれについて、約10から15mgを回収しえた。これらに対して^<35>S-メチオニンでメタボリックに標識した正常線維芽細胞抽出液、およびMSD患者線維芽細胞抽出液を加え、4℃30分間回転し、その後遠心してグルタチオンビーズを回収した。上清を除き、結合バッファーを加え、SDS-PAGEにて解析した。さらに、アリルスルファターゼAの69番目のシステイン残基の近傍にあり、他のスルファターゼと相同性の高いプロリン、セリン、アルギニンの欠失させた変異型のGST融合蛋白質を作成し、^<35>S-メチオニンで標識した正常線維芽細胞抽出液を反応させ、回収し、SDS-PAGEで解析した。正常GST融合蛋白質と変異融合蛋白質の泳動の違いは融合蛋白質の違いのみならず、この領域に反応する未知の因子の有無として検出されるはずである。しかし、ASA、ASBでこのパターンは微妙にことなり、この違いを現在検討中である。またこの差が正常細胞、Multiple sulfatase deficiency(MSD)細胞各々の抽出液との反応における違いとして検出されたバンドに相当するものかも、現在検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kurosawa K,et al.: "Self-inducedvomiting in X-linked α-thalassemia/mental・・・" AmJ Med Genet. 63. 505-506 (1996)
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[Publications] Masuno M,Kurosawa K,et al.: "Osteodysplastic primodial dwarfism : a case with feature of・・・" Clin Dysmorphol. 4. 57-62 (1995)
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[Publications] Masuno M,Kurosawa K,et al.: "Submicroscopic deletion of chromosome region 16p13.3・・・" Am J Med Genet. 53. 352-354 (1995)