1996 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚Tリンパ球前駆細胞におけるE-Cadherinの発現および接着についての研究
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08770639
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小方 冬樹 東京大学, 医学部・附属病院(分), 助手 (10261984)
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Keywords | マウス / 胎仔皮膚 / T細胞分化 |
Research Abstract |
今回、C57BL/6マウスを用いて胎仔皮膚におけるT細胞分化の免疫学的研究を行った。 方法: (1)胎生15.5〜18.5日のマウス胎仔、新生仔、成獣より皮膚を採取し、EDTAあるいはチオシアン酸アンモニウム処理後、真皮、表皮を分離し、トリプシン、コラゲナーゼなどの処理によりsingle cell suspensionを作製する。FITC抱合した抗Thy-1、CD45,TCRαβ、TCRγδ、Vγ3抗体にて染色し、FACSにて解析した。同時に、コントロールとして胸腺を採取し、染色した。 (2)(1)と同様な方法にて皮膚シートを作成した後、スライドグラスに貼付け、冷アセトンにて固定する。FITC-抗Thy-1と、それぞれPE-抗c-kit,Sca-1,IL-2Rα、IL-2Rβ、CD3,CD4,CD8にて二重染色を施行した。 (3)マウスより皮膚を採取、凍結後、クライオスッタットにて標本を作成、(1)と同様な抗体を加え、ABC法により染色(基質はペルオキシターゼ、およびアルカリフォスファターゼを使用)し、観察を行った。 (4)また、マウス胎仔皮膚を無菌下に採取し、表皮、真皮を分離後、single cell suspension を作製する。この細胞をコンカナバリンA、IL-2の存在下で培養、FACSにて解析した。 結果: (1)胎仔期表皮のαβT細胞はわずかに発現をみるのみであったが、一方で、γδT細胞は胎生15.5日から新生仔にかけて徐々に増加傾向した。また、真皮では胎生15.5日にαβ、γδT細胞の存在が確認されたが、両population共に減少傾向を示し生後はほぼ消失した。これらは、胸腺とは異なる分化パターンを示した。 (2)胎生13.5および14.5日の比較的はやい段階でThy-1/c-kit,Thy-1/IL-2R double positiveが存在した。 (3)凍結標本も(1)の結果を裏付ける所見が得られた。 (4)これらの細胞は上記の方法では培養が不可能であった。
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