1996 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞増殖におけるVEGF遺伝子発現と血管新生阻害剤の作用機構の関連
Project/Area Number |
08770753
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉本 佳子 関西医科大学, 医学部, 助手 (60217784)
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Keywords | 内皮細胞増殖因子 / 新生血管阻害剤 / 実験腫瘍 |
Research Abstract |
ある種の血管新生阻害剤は、抗腫瘍効果を示す事は知られている。この作用機序については十分な解明がなされていない。特に、内皮細胞増殖因子(VEGF)、及び、その受容体系については不明な点が多い。最近、フマギリンの誘導体であるFR118457は、特異的に新生血管阻害剤として多くのマウスの固形腫瘍で抗腫瘍効果を示し、また、In vitro実験で選択的に内皮細胞の増殖が阻害される事が報告されている。本研究はVEGF及びその受容体係と、FR118487との関連について検討した。VEGFを分泌するG55glioblastoma multformをヌードマウスへ移植し、これと同時にFRを10、20mg/kgの投与、及びVEGFに特異的なモノクローナル抗体(ファーミンシェン社)を投与した。20mg/kgのFR投与することで抗腫瘍効果(Doubling timeでの評価)を認めるが、これも移植直後より5mg/kgを4回を24時間隔での投与で認められるが、腫瘍直径が1cm以上になるとこの抗腫瘍効果は減少する。しかし、G55glio blustomaの肺転移は著明に減少した。VEGF抗体の投与、VEFG受容体のKDR、flt-1については、現在PCR法を用いてアンチセンス及びセンスプローブを作成中で、未だ完成していいない。また、VEGFmRNAの定量については、ノーザンブロッティング法によりゲル電気泳動法により、分離したRNAを膜に固定してVEGFに特異的なプローブでVEGFmRNAをハイブリッドし、現在、VEGFの特異的なバンドを確認したが、未だ定量化までには至っていない。現在、研究は継続中である。
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