1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771049
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
吉野 一郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (40281547)
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Keywords | 肺癌 / 腫瘍内浸潤リンパ球 / 癌所属リンパ節リンパ球 / 細胞障害性Tリンパ球 / 主要組織適合抗原 / 腫瘍抗原 |
Research Abstract |
【目的】肺癌患者生体内の肺癌特異的細胞障害性Tリンパ球(CTL)を誘導し、認識する腫瘍抗原等を解析し、肺癌に対する特異的免疫療法の基礎とする。 【実験1】CTLの誘導 (方法)原発性肺癌の新鮮切除標本より腫瘍組織を摘出し酸素法・密度勾配重層円心法にて腫瘍内浸潤リンパ球(TIL)を分離、また郭清リンパ節よりLNLを分離。固層化抗CD3抗体にて48時間刺激後、IL-2(50IU/ml)にて10-14日培養し、腫瘍細胞株にて1回/週・2-3回刺激した。刺激にはPC-9(HLA-A2/A24、腺癌)、Sq-1(HLA-A24、扁平上皮癌)、QG56(HLA-A26、扁平上皮癌)、A549(HLA-26、腺癌)のうちHLA-Alocusの適合した株を用い、CTL活性は^<51>Cr-放出試験にて検索した。 (結果)(1))固層化抗CD3抗体・IL-2による初期培養によりTIL・LNLは20-50倍に増殖した。(2)HLA-Alocusおよび組織型が伴に適合した肺癌細胞株にて刺激した15例中6例にCTLが誘導された。これらはすべてPC-9刺激を受けたHLA-A24陽性線癌症例であった。 (結論)HLA-A2/A24は伴に日本人で頻度の高いhaplotypeであるが、このHLA-A2/A24に提示される肺癌共通抗原の存在が示唆された。 【実験2】腫瘍抗原の同定 (方法)上記(実験1)で明かにされた、共通の腫瘍抗原を有するPC-9より、pH3.3のクエン酸緩衝液にて細胞表面のHLA分子に結合した抗原ペプタイドを溶出し、更に逆層クロマトグラフィーにて展開して得られた各fractionについて、抗原提示細胞に反応させ、PC-9特異的CTLの反応を誘導するfractionを選定し、更にmass-spectrometerによりアミノ酸配列を決定する。 (現状)HPLC-fractionを選定中である。
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