1996 Fiscal Year Annual Research Report
過酸化水素の培養腫瘍細胞における細胞傷害活性と細胞内グルタチオン濃度との相互作用
Project/Area Number |
08771090
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
飯田 昌孝 昭和大学, 医学部, 助手 (40271283)
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Keywords | Hydrogen peroxide / Glioblastoma / Apoptosis / Endonuclease / N-acetyl-L-cysteine / L-buthionine-[S,R]-sulfoximine / Glutathione |
Research Abstract |
過酸化水素は3種類のGlioma細胞株(T98G,U87MG,KG1C)にapoptosisに特徴的な細胞容積の縮小、クロマチンの凝集、apoptotic body産生を誘導したが、apoptosisの生化学的指標であるDNA fragmentationを伴わなかった。EndonucleaseはCa^<2+>,Mg^<2+>非依存性endonucleaseであった。フリーラジカルによる細胞傷害活性は細胞内グルタチオンにより消去されることが知られている。そこで、細胞内グルタチオンレベルをL-buthionine-[S,R]-sulfoximine、N-acetyl-L-cysteineを使用してそれぞれ減少および増加させたところ、BSOは濃度依存的に過酸化水素の細胞障害活性を増強させたものの、NACは過酸化水素に対する保護作用を顕著には示さなかった。10^6個あたりの細胞内グルタチオン量はT98G(482μg);U87NG(47μg);KG1C(22μg)であり、過酸化水素に対して感受性を示す、ヒト白血病細胞株HL-60(1.4μg);ML-1(2.9μg)に対し8〜344倍の高値を示した。以上の結果より、白血病細胞株を比較して有意に高いGlioma細胞株の抗癌剤や放射線に対する耐性に、高レベルの細胞内グルタチオン濃度が関与することが明らかとなった。細胞内グルタチオンレベルを人為的に操作することによりGlioma細胞に薬剤感受性を賦与できる可能性が示唆された。 また、Human immature teratoma,glioblastoma,somatostatinoma細胞株を樹立、性状を検索した。
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Research Products
(1 results)