1996 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞と白血球の活性酵素系にウリナスタチンが及ぼす影響の研究
Project/Area Number |
08771230
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大内 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255560)
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Keywords | ウリナスタチン / 人工心肺 / 虚血・再潅流障害 / インターロイキン-8 |
Research Abstract |
【実験経過】まず、インターロイキン-8(IL-8)に焦点を当てた予備実験を行った。その結果、採血を行った7Stage(1;麻酔導入後手術開始前、2;人工心肺開始直前、3;人工心肺開始後30分、4;大動脈遮断解除時、5;大動脈遮断解除後30分、6;人工心肺終了時、7;手術終了時)のうち、1;麻酔導入後手術開始前、4;大動脈遮断解除時、7;手術終了時の3Stageの測定で今回の研究題材に対する結果が得られると判断した。 また、購入できたIL-8測定キットのセット数の都合上、コントロール群(8例)、ウリナスタチン30万単位群(8例)、ウリナスタチン60万単位群(7例)の測定となった。 測定値はヘマトクリットにより血液希釈の補正を行い、統計学的検定は反復測定による分散分析法により行い、危険率5%を判定水準とした。 【実験結果】IL-8値は、Stage1に対しStage2およびStage3で有意な増加が認められ、3Stage間に有意差が認められた。(p<0.0001)コントロール群、ウリナスタチン30万単位群およびウリナスタチン60万単位群の3群間には有意差は認められなかった。(p=0.1663)また、3Stageと3群の間に有意な相互作用は認められなかった。(p=0.1051) 【まとめ】今回の研究の結果、ウリナスタチンは人工心肺によるIL-8値の上昇を抑制し得ないことが示唆された。
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