1996 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌の進展に及ぼすサイトカインの影響についての研究
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08771253
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
奥村 昌央 富山医科薬科大学, 付属病院, 講師 (30194509)
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Keywords | 膀胱癌 / サイトカイン / PCR |
Research Abstract |
膀胱癌はその異型度によって、I度〜III度に分類されるが、この異型度とc-Ha-ras等の癌遺伝子の増幅の度合が相関することが報告されている。我々は、サイトカイン産生異常が膀胱癌の悪性度に関係があるのではないかと考え、サイトカイン遺伝子およびサイトカイン受容体遺伝子の発現をRT-PCR法を用いて調べた。 1)膀胱癌由来細胞株(T24,NBT-2)を用いて定量性RT-PCRを行い、サイトカイン遺伝子(EGF,IL-6,TNFα)およびサイトカイン受容体遺伝子の発現量を調べた。その結果、T24においてIL-6遺伝子とIL-6受容体遺伝子の発現がやや高い傾向であったが、他のサイトカイン遺伝子やサイトカイン受容体遺伝子には特に差は見られなかった。 2)手術標本のヒト膀胱癌組織を用いサイトカイン遺伝子およびサイトカイン受容体遺伝子の発現量を調べ、膀胱癌の異型度とサイトカイン産生異常との関連を試みた。うちわけは膀胱全摘術症例が3例、経尿道的切除術症例が5例であったが経尿道的切除術症例の場合、電気凝固のためかRNAの回収がうまくなかった。膀胱全摘患者では、IL-6遺伝子とIL-6受容体遺伝子の発現量がやや高い傾向であったが、いずれもGIIIの症例であり、異型度別によるサイトカイン遺伝子とサイトカイン受容体遺伝子の差は分からなかった。 今後、さらに症例を増やし検討したいと考えている。
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