1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771261
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石津 和彦 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70274173)
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Keywords | 精管結紮 / 造精機能 |
Research Abstract |
(目的)ヒトにおいて精管結紮後に精管を再吻合しても,必ずしも妊孕性を回復し得ない理由の1つとして精管結紮による造精機能障害が考えられている。精管結紮は本当に造精機能を障害するか否か,障害するならば,局所的,全身的あるいは両因子のいずれが精巣障害の原因であるかを調べる目的で動物実験を行った。 (方法)10週令Lewis系雄性ラットに片側性精管結紮術またはsham operationを施行し、術後1および3カ月に両側精巣の精巣重量および精巣内DNA量分布を測定した。 (結果)術後3カ月にvasectomy群(n=10)ではsham operation群(n=10)と比較して,精巣重量およびpercentages of haploid cells(%1C)が低下した(結紮側:p<0.05,対側:p<0.1)。vasectomy群では,術後1および3カ月に精巣重量および%1Cにおいて結紮側と対側の間に有意差を認めなかった。術後3カ月においてvasectomy群10例中3例では造精機能低下がみられたが、7例では造精障害は認められなかった。 (結論)これらの結果から,精管結紮は一部の個体に限って造精機能を障害し,局所的因子よりはむしろ全身的因子が精巣障害の原因であることが示唆された。
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