1996 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔マウス精嚢の増殖と分化に対するレチノイン酸の効果
Project/Area Number |
08771265
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
丹司 望 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281183)
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Keywords | 新生仔 / マウス / 精嚢 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
新生仔マウス精嚢の発育に及ぼすレチノイン酸(RA)の影響をin vitroで検討した。0日齢雄マウスから採取した精嚢をトランスフェリン、BSA、DHT、インスリンを含む無血清培地で最高6日間培養した。培養前には、皺襞のみられない上皮が、間質に取り囲まれているにすぎないが、DHTを含む培地で培養すると、培養2日目より多数の上皮の皺襞が形成される。一方、DHTを含まない培地で培養すると、その皺襞は形成されない。10^<-9>Mから10^<-6>MのAll-trans-RA、あるいは13-cis-RAをDHTを含む培地に加えると、DHTによる上皮の皺襞形成が用量依存的に抑制される。また、その抑制効果は可逆的であった。[^3H]-thymidineを用いたautoradiographyや蛋白量の検討でも、RAによる抑制効果が示された。また、9-cis-RAの抑制効果は、All-trans-RAや13-cis-RAに比べると少なかった。DHTを含まない培地では、All-trans-RAの抑制効果はみられなかった。次に、RT-PCRによるマウスRA受容体の発現に関する検討で、新生仔マウス精嚢においてRARα、RARγ、RXRαの強い発現が示された。以上より、RAは新生仔マウス精嚢のアンドロゲン依存性の発育を可逆的に抑制することが示され、その抑制効果はRARを介していることが予想された。
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Research Products
(1 results)