1996 Fiscal Year Annual Research Report
陣痛発来・頚管熟化機構の解明-サイトカイン・接着因子の関与について
Project/Area Number |
08771355
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
今井 雅夫 北里大学, 医学部, 助手 (10232597)
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Keywords | 陣痛発来 / サイトカイン / 癌胎児性フィブロネクチン / プスタグランジン |
Research Abstract |
妊娠正期妊婦から膣頚管粘液を毎週自然陣痛発来まで採取し、各種サイトカイン濃度を測定したところ測定時から4日以内に自然陣痛発来した妊婦の膣頚管粘液中の癌胎児性フィブロネクチン、IL8は有意に高値を示したがIL1,IL1ra,IL6,IL6 soluble receptor,TNF,TNF soluble receptor,IL10には有意な差を認めなかった。このことから癌胎児性フィブロネクチン、IL8測定により、陣痛発来時期の推定が可能と考えられた。また経膣自然分娩例、陣痛開始後の帝王切開例、陣痛発来前の予定帝切例の胎盤組織における、cPLA_2、sPLA_2mRNAの発現量を測定したところ陣痛発来前の予定帝切例では脱落膜側でsPLA_2mRNAの発現を、羊膜側でcPLA_2mRNAの発現を認め、腟側と子宮底部側では膣側に発現を強く認めた。しかし、陣痛発来後時間を経過したものでは、cPLA_2、sPLA_2mRNAともに脱落膜側に非常に強く発現しており、羊膜での発現が減少していた。このことからcPLA_2、sPLA_2mRNA誘導には解剖学的に膣側の因子(炎症の影響)が関与する可能性が強いこと、陣痛発来後には、無血管領野である羊膜では基質の欠乏からかPG産生が低下する可能性が示唆された。帝切の胎盤組織から得た培養細胞にTGFβを添加すると濃度依存性にサイトカイン産生を抑制した。
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