1996 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルスの潜伏感染及び再活性化による顔面神経麻痺モデルの検討-麻痺発症における病態およびその免疫応答に関する検討-
Project/Area Number |
08771448
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
柳田 昌宏 関西医科大学, 医学部, 助手 (20220189)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / HSV1 / 再活性化麻痺モデル |
Research Abstract |
まずwister系ラットを用い,本学微生物学教室より提供を受けたHSV1型(KOS株)を耳介後面、中耳腔に接種して,初回感染麻痺モデルの作成を試みた。過去の他の報告同様、中耳腔接種ラットでは麻痺発症は起こらず耳介後面接種モデルにおいて麻痺発症が認められた。 過去の報告において、HSV1が潜伏感染した神経節細胞はその支配部位の皮膚刺激によりHSV1に対する許容性が増し。内部でHSV1の増殖、再活性化が起こるとの説がある。そこで麻痺発症が起こらない程度のHSV1接種ラットに対し、初回接種部位である耳介後部を注射針で擦過し再刺激を試みた。しかし、刺激部位にヘルペス疹は形成し、ラットの全身状態は増悪するものの麻痺発症に残念ながら至らなかった。 最近になってマウスのT細胞レセプターに対する抗体を投与し、細胞性免疫を選択的に抑制したあと上述の耳介皮膚刺激を加えることにより、HSV1再活性化による顔面神経麻痺が発症したとの報告が認められる。今後はこのように細胞性免疫を制御するような方法で再活性化麻痺モデルの作成を試みていきたい。
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