1996 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いた糖尿病網膜症の研究
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08771489
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浅原 貴志 徳島大学, 医学部, 助手 (40274203)
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Keywords | アンチセンスオリゴヌクレチド / トランスジェニックマウス / ホスホロチオエ-ト化 / 蛍光DNAシーケンサ / アルバース還元酵素 |
Research Abstract |
1.アンチセンスオリゴヌクレオチドの設計 細胞内のヌクレアーゼによる分解を受け難くするためにオリゴをホスホロチオエ-ト化し、またオリゴの効果を強めるため配列を検討した。できたオリゴは逆相HPLC法にて精製した。検出用にはさらに6-FAMにて蛍光標識したものを作成した。 2.アンチセンスオリゴヌクレオチドの眼球内での動態の検討 蛍光標識したオリゴを実際に作成し、ガラスキャピラリーのインジェクターでマウス眼内に注入した。 経時的に眼内より抽出し、オリゴの眼内での残留について蛍光シークエンサーで検討した。蛍光強度がオリゴの量に必ずしも比例しないため、それがオリゴの量と比例する濃度を検討した。その結果オリゴは注入後約一週間眼内に残存し、また合成時の長さが保てることが判明した。また経時的に前房水を採取し、オリゴの眼内からの排出状況について検討した。さらにマウス眼球の凍結切片を作成し、蛍光顕微鏡で観察し、比較的短時間で網膜の深層にまでオリゴが拡散、浸透しうることを確認した。同時にこのことで網膜組織に変性などが起こらないことを確認した。オリゴを眼内に直接注入しても網膜内遺伝子導入法として有用であると考えられた。 3.トランスジェニックマウスへの応用 ヒトアルドースレダクターゼを発現するトランスジェニックマウスを用いて、アンチセンスオリゴが標的遺伝子のメッセンジャーRNA(ヒトアルドースレダクターゼ)の発現レベルを低下させうるかノーザンブロットで検討した。その結果、標的遺伝子の発現レベルを最大70%程度抑制しうることが分かった。ただ、効果は一時的なものであり、繰り返し投与が必要であると考えられた。
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