1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771520
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
山本 晃 杏林大学, 医学部, 助手 (50255395)
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Keywords | 白内障 / 徹照像 / 画像解析 |
Research Abstract |
日常診察において水晶体混濁を観察する場合、混濁の形状・位置・量を判定し、その混濁が進行する時間・方向・量を知ることが大切である。そのためには、水晶体の混濁を画像情報として保存し、客観的に解析することが必要である。徹照像の解析にはThreshold法を用いて混濁面積を算出する方法があるが、混濁の位置や方向を定量化することが出来ない。今回、経時的に撮影した徹照像の新たな定量的解析を試み、その有用性につき検討を行なった。 【対象】1984年から95年までの12年間に徹照像観察ができた白内障のうち、明らかな外傷性や併発性の白内障を除き、5年間以上経過観察することができた72名の片眼を対象とした。内訳は糖尿病者25名、非糖尿病者47名である。 【方法】極大散瞳下でナイツ社製Cataract Camera(CT-R)を用いて水晶体前後面に焦点を合わせた徹照写真を撮影し、スライドスキャナー(ポラスキャン)で取り込んだ。瞳孔の中心から直径6.5mmの円で画像を切り取り、Threshold法で陰影面積を測定した。周辺部から中心に向かう陰影の本数と距離を4像限それぞれ測定し、5年間での進行を比較した。 【結果および結論】Threshold法で5年間の陰影面積の平均増加率は糖尿病者で10%、非糖尿病者で8.8%であった。非糖尿病者の陰影は下鼻側に多かった。5年間で糖尿病者は非糖尿病者に比べ、陰影の本数・長さが増加した。水晶体混濁を観察する場合、徹照像観察は有用であると判断した。
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