1996 Fiscal Year Annual Research Report
黄斑部疾患における中心視野の色光感度闘値に関する研究
Project/Area Number |
08771538
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
工藤 砂織 東京医科大学, 医学部, 助手 (60266492)
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Keywords | 色視野 / 黄斑部疾患 |
Research Abstract |
研究は当初、Hamphrey Field Analyserの赤、緑、青、白の4種類の色刺激を用い、黄斑部疾患の闘値測定を行う予定であったが、一人の被験者に対し検査に要する時間がおよそ1時間30分を超え、視力障害のある黄斑部疾患患者にとって検査の苦痛が強いものと判断したため、検査は黄斑部疾患では赤、緑、青、白の中心窩感度測定と青、白色刺激による中心4.2°までの16点測定によるMacular Programを用いることとした。また、緑内障についてはArmaly Screenin Programを青色刺激を用いて行った。 正常者では青色刺激は中心窩感度よりも中心から1.2°、4.2°の部位での感度の方が高く、これは中心小窩には短波長領域感受性錐体が存在しないということを裏付けるものと思われた。 緑内障では通常の白色刺激を用いた周辺24°までの闘値測定プログラムでも検出されなかった感度低下を、青色刺激を用いることで検査時間が1/3のArmaly Screenin Programで検出可能であった。 黄斑前膜症では青色刺激による中心窩感度は健眼と比較して低下しているものが多く見られたが、赤、緑、白色刺激では感度差は明かではなかった。また、1.2°、4.2°での感度も健眼と比較すると差は明かではなかった。黄斑円孔では中心窩感度は赤、緑、青、白色全てで感度の著しい低下が認められた。円孔に一致する部位では青色刺激で著しい感度低下が見られた。 現在のところ検査を施行した症例数は少ないため、明らかな傾向が認められないものもあったが、今後症例数が増えることで疾患による傾向が明らかになり、臨床での応用が期待される。
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