1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771754
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 勉 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70281467)
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Keywords | 超酸化水 / ヒト歯髄細胞 / ヒト歯根膜細胞 / 細胞増殖能 / アルカリフォスファターゼ活性 |
Research Abstract |
本研究では、超酸化水の歯髄および歯根膜細胞への細胞毒性を通して、根尖部歯周組織への影響について検索を行った。 実験には、ヒト新鮮抜去歯の歯髄および歯根膜組織を、トリプシン-EDTA処理により分離培養した線維芽細胞様細胞の5〜10代の継代細胞を歯髄および歯根膜細胞(DP・PL細胞)として使用した。 被検液として超酸化水(SW)、5%次亜鉛素酸ナトリウム水溶液(5% NaClO)、3%過酸化水素水(3% H_2O_2)、滅菌蒸留水(DW)、リン酸緩衝液(PBS)の5種類を用い、コントロールには10%FCS-MEM(MEM)を用いた。 被検液15秒間作用実験については、作用5日後で、SW、NaClO、H_2O_2作用群では、コントロールに比べて、著しい細胞増殖の抑制が認められた。DW、PBS作用群では、DP細胞に軽度の抑制、PL細胞に中等度の抑制が認められた。作用時間別実験については、SW、NaClO、H_2O_2作用群では、全ての時間において、コントロールに比べて、著しい細胞増殖の抑制が認められた。DW、PBS作用群では、軽度の抑制が認められた。アルカリフォスファターゼ活性については、DPおよびPL細胞ともに、MEMでみられるように、細胞がほぼコンフルエントに達する7日目から活性の上昇が認められた。そして、DP細胞では、SW、NaClO、H_2O_2作用群で、作用後7日を経過しても活性の上昇は認められず、DW、PBS作用群で活性に特に変化は認められなかった。また、PL細胞においても、SW、NaClO、 H_2O_2作用群では、DP細胞と同様に、作用後7日を経過しても活性の上昇は認められなかった。なお、DW、PBS作用群で、作用後4日目より活性の上昇が認められた。 以上の結果より、超酸化水を歯髄および歯根膜細胞に直接作用させた場合、細胞レベルにおいては、ある程度の障害性を示すことが示唆された。
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