1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771763
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 重之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90251298)
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Keywords | アパタイト / インプラント / 移植骨 / 血管柄付き移植骨 / アパタイトインプラント |
Research Abstract |
本研究では、アパタイトインプラントを血管柄付きの移植骨に埋入することにより、移植骨においてもアパタイトインプラントが補綴物を装着できるだけの十分な骨性結合を得られるのかを確認するため動物実験を行った。さらにインプラント周囲および移植骨に、通常の埋入と比べて経時的にどのような反応が起きるのかを組織学的に検討した。 生後約6カ月で、2.5〜3.5kgに成長した白色家兎を用いた。全身麻酔下にて、下肢内側に鼠径部より関節に至る皮切を加え、膝関節と足関節で関節離断を行った。このとき伏在動・静脈を確実に含むように筋肉を付着させたまま頸骨と腓骨を一体として取り出した。次に前脛骨筋内側縁に切開を加え脛骨を露出し、2本のインプラントを埋入した。埋入後に脛骨を血管柄とともに挙上反転し、皮膚を縫合した。反対側においては、関節離断を行われずに頸骨に直接インプラントを埋入し対照群とした。 実験2週、1ケ月後、インプラントを含めて移植骨を切断した。このとき、移植骨からはすべて出欠がみられ、血管柄より血液が供給されていることを確認した。摘出した移植骨および反対側の対照群を10%ホルマリンアルコールにて固定し、エポキシ樹脂包埋後、未脱灰薄切研磨切片を作製し、トルイジンブルー染色を施した。実験2週の標本を光学顕微鏡にて観察すると、実験側においては対照側に比べインプラント周囲にみられる骨性結合部分がやや少なくみられた。今回、実験用インプラントを作製したが、専用の埋入器具を作製することができなかったために、インプラント窩には多少の誤差が生じている可能性がある。このため、現段階では移植骨に埋入したために骨性結合部が少なくなっているとはいえない。現在、実験1ケ月後の標本を作製中、また3ケ月の動物実験を行っているところである。これから、インプラント窩などの誤差を平均化するために実験数を増やしていく予定である。
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