1996 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節におけるScanora^<【encircledR】>による矢状断断層撮影の評価
Project/Area Number |
08771824
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
蛭間 崇善 昭和大学, 歯学部, 助手 (70281368)
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Keywords | 顎関節 / Scanora^<【encircledR】> / 矢状断断層撮影 |
Research Abstract |
被写体には乾燥頭蓋骨2個,左右4顎関節を使用した.各関節における修正角度はオトガイ下頭頂方向撮影と側方ゾノグラフィーより決定し,関節距離は前方ゾノグラフィーから得られた画像を特製シャーカステン上に置き,評点を断層すると考えられる距離を選択した.決定された角度,距離および断層厚/間隔(2mm/2mm)により選択されるコードナンバーにて,二人の術者が2回ずつ日を変えて4層の矢状断断層撮影を行った. その結果,頭蓋骨(各関節)において同一部位が描出される層は撮影回数により異なり,同一術者では0層から3層,平均1.8層の相違が生じ,約2層程度ずれることが示された.また二人の術者間においては1回目の撮影では0層から2層,平均1層の差違が生じ,2回目の撮影では1層から3層,平均2.4層の差違が生じ,約1層から2層程度ずれることが示された.本矢状断断層撮影では1層が2mmであることから,撮影の繰り返しや術者の相違により約4mm程度のずれが生じることが考えられた.そして内外側極に対してほぼ中央を目的の断層部位として撮影を行ったところ,4層のいずれかに目的断層部位が描出されることが示された. 以上のように撮影回数や術者により約4mm程度のずれが生じる要因として,本装置の頭部固定装着への被写体の設置が考えられる.これは固定装置であるチンレストとイヤーロッドのみの固定では被写体が回転しやすく,位置づけの再現性が乏しいためである.動揺のない乾燥頭蓋骨でこの程度のずれが生じることにより推察して,生体においてはそれ以上のずれが予測される.このことより,ずれが生じないように目的とする断層部位の画像を得るためには,被写体の位置づけにおける再現性を向上させることが必要であり,本撮影装置の頭部固定装置の改良が必要であると考えられた.
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