1996 Fiscal Year Annual Research Report
天然歯透明感の両眼視差時心理評価とステレオセンシングマシンの感度との比較研究
Project/Area Number |
08771826
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
比米 晴信 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30256896)
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Keywords | 両眼立体視 / マシンビジョン / 透明感 |
Research Abstract |
本研究は歯科臨床に固有ともいえる「近傍で狭小な視覚環境におけるヒトの視覚認知」を研究フィールドにしている。しかし従来用いられている精神物理実験用-視覚刺激装置はサイズ/解像度の点で必要な性能を持っていない。観察距離1m以内におけるヒトの奥行き知覚が輻輳-調節(convergence-accommodation)の影響を強く受けることは良く知られた現象であるが、さらに近傍な視覚環境を自然な状態で再現することは実は容易なことではない。そこで先に製作済であるステレオスライド撮影装置とともに簡便な表示装置の製作・改良を試みている。 1.表示装置の改良 表示装置の光軸調節装置(全反射プリズム)をレーザー用光学部品に用いられるアルミ蒸着ミラーに変更した。これにより右目用画像、左目用画像の交換を迅速に行えるようになった。また偏光フィルターメガネ無しで観察可能となり、より明るく鮮明な視環境が調った。さらに上述のステレオスライド撮影装置から得られたステレオ写真を観察しリアルな天然歯の立体像を観察することが出来た。 2.表示精度の確認 表示装置の開発にあたり、観察時に両眼が自然な輻輳-調節(convergence-accommodation)関係を再現しているか、左右眼に表示される画像が現実空間と同じ座標に定位されているかといった疑問が生じる。この回答として、ひとつは空間位置を数学的(幾何学的)に求める方法がある。しかしこの方法はレーザー発振器、ビームポジション検出ディテクタ、ビームスプリッタなど高価な機器が必要となる。さらにヒトの頭部あるいは両眼位置の制御が解決し難い問題として残る。そこで視覚刺激パターンを観察させ視覚的手がかりを検出させることにより表示精度を推定する方法を模索中である。
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