1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08772215
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
坂田 麻子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10274599)
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Keywords | 看護職者 / 人員確保 / 労働環境 / 離職 / 職業イメージ / 再就業 / 高齢少子社会 / 職業選択 |
Research Abstract |
研究方法:佐賀県内の看護学校の卒業生名簿に就職先が明記されていない佐賀県内在住の未就労と思われる看護職者503名を抽出し、郵送による質問紙調査を実施した。回収数188通(回収率37.4%)有効回答数92通(有効回答率48.9%)であった。分析方法はx^2検定およびt検定を用いP<0.05を有意とした、研究結果:対象者の背景:職種は看護婦(RN)59.8%、准看護婦(PN)40.2%であり、RNのうち1名は男性であった。年齢は20代15.2%30代44.6%40代19.6%50代8.7%60代11.9%であった。勤務年数は0〜4年14.7%5〜9年51.1%10〜19年14.1%20〜29年6.5%30〜39年10.9%であった。離職回数は1回54.3%2回19.6%3回3.3%4回1.1%であった。離職時の地位はスタッフナ-ス68.5%主任14.1%であり、RNでは看護部長や教官が2.1%あった。考察:未就労看護職者の状況は、卒業後10年未満での離職者が76.3%を占め、働きざかりの看護職者が「結婚」そして「育児」で離職し、そのまま「育児」のために未就労になる場合が多い。この未就労者が就業可能になるための要因として、20年以上勤務した人達の「家族の協力度」の満足度が3.9%であったことから「家族の協力や理解」が必要であることが示唆された。また、勤務年数10年以上の離職や未就業理由に「病気や体力低下・体調不良」が多いことから、「体力や健康」も勤続を可能とする因子といえる。また、PNの給与満足度が1.667であること、保健婦、助産婦、養護教諭は離職者が少ないことを考えると、「仕事に値する賃金」「勤務体制」「勤務日数」「勤務時間」「仕事に値する賃金」などのハード面の改善や裁量権も関係因子であると推定できる。また、育児期間中の「低料金の保育所の存在」「勤務体制」「仕事内容」、仕事に見合う「給与」などのハード面の改善、「家族の協力と理解」、職場内の人間関係(特に同僚との良い関係は推進力になる)、仕事を評価されること等があげられる。これらの因子の改善により高齢少子社会状況での看護職者確保の一助となると考えられる。 (本研究で実施した高校3年生・高校教師への調査結果については記入欄の関係上割愛した。)
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