1996 Fiscal Year Annual Research Report
夏期における冷房温度に関する研究-温熱的快適性の個人差からの検討-
Project/Area Number |
08780010
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (90186437)
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Keywords | 温熱的快適性 / 個人差 / 自由選択温度 / 温冷感 / 皮膚温 / 寒がり・暑がり / 冷暖房機器 |
Research Abstract |
夏期に温熱的快適となる冷房温度範囲,特にスカートを着用した女性にとって好ましい冷房温度を求め、冷房温度の基準化のための基礎データを得ることを目的とし,約30名の青年女子を被験者として夏期の温熱的快適性を測定する実験を人工気候室で行った。まず,好みの温度を選択する実験を行い,その平均値とばらつきを測定した。また,あらかじめ調節された温度を評価する実験と、好みの温度を選択する実験とでは快適性に違いがあるかどうか、同じ被験者で同時期に実験を行い検討した。さらに個人差が体格、生理的機能の違い、生活習慣等と関係あるか要因分析を行った。その結果以下の点が明らかになった。 (1)30名の青年女子被験者に選択された気温は,23.5℃から30.5℃の範囲で約7℃の気温差が認められ,平均値は約27℃であった。その時の皮膚温は選択した気温と相関が認められるが,どの被験者も温冷感は「-1:やや涼しい」から「-2:涼しい」,快適感は「+2:快適」の申告で,選択した気温による差はなかった。 (2)設定気温の評価実験では,気温選択実験における高温選択グループと低温選択グループで皮膚温には大差が認められなかったが,高温選択グループでは同じ温度でもより寒く感じ,28℃で最も快適と感じているが,低温選択グループでは同じ温度でもより暑く感じ,24℃付近でもっとも快適と感じている。 (3)自己申告である「暑がり」「寒がり」には選択気温にも設定気温評価にもあまり差は認められなかったが,普段の生活で冷暖房機器の使用には差が認められた。 (4)一定の環境評価での快適温度より快適な自由選択気温の方が個人差は大きかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 久保博子 他3名: "温熱的性の個人差に関する実験的研究-夏期における好まれる気温に関する検討-" 建築学会大会論文梗概集・D環境. 近畿. 369-370 (1996)
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[Publications] 久保博子 他3名: "温熱的性の個人差に関する実験的研究-夏期における設定環境下の人体反応の個人差について" 建築学会大会論文梗概集・D環境. 近畿. 371-372 (1996)
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[Publications] 久保博子 他3名: "夏期における好まれる気温に関する研究(第2報)" 空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集. 第26回. B-13 (1997)