1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780019
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
滝沢 智嘉 昭和女子大学, 生活科学部, 助手 (10245904)
|
Keywords | 脱スケール羊毛繊維 / 固定化複合酵素 / 固定化ウレアーゼ / pH安定性 / 熱安定性 / 固定化グルタミン酸デヒドロゲナーゼ / 繰り返し使用時の安定性 / 還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド再生系 |
Research Abstract |
本研究では羊毛を担体とした還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の再生系を組み込んだバイオリアクターの開発を最終目的とし、その基礎的研究として脱スケール処理した羊毛繊維にウレアーゼおよびグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)の固定化を試み、その活性度を比較検討した。細かく切断した羊毛繊維をギ酸および超音波を用いて脱スケール処理したものを担体として用いた。酵素の固定化はグルタルアルデヒドを用いて、(1)固定化ウレアーゼ、(2)固定化GDH、(3)固定化複合酵素(ウレアーゼとGDHを同時に固定化)の3種を試みた。活性度の測定は、(1)固定化ウレアーゼ:試料と尿素を反応させ、生成したアンモニアの比色定量によって行った。(2)固定化GDHおよび(3)固定化複合酵素:補酵素のNADHの減少量を340nmの吸光度で測定した。3種の固定化酵素の諸性質:固定化ウレアーゼは高い活性を有しており、遊離ウレアーゼと比較して熱、pH、金属阻害および繰り返し使用時の安定性に優れていた。固定化GDHは遊離GDHに比較して、熱安定性(80℃で23%の相対活性を保持)およびpH安定性(pH2以下並びに10以上で18%以上の相対活性を保持)に優れていた。固定化複合酵素も、熱安定性(80℃で18%の相対活性を保持)、pH安定性(pH2以下並びに10以上で12%以上の相対活性を保持)に優れていた。いずれの固定化酵素も10日間繰り返し使用時の相対活性は78%以上を保持しており、充分使用に耐えうると考えられる。また。これらの固定化酵素の至適作用温度および至適作用pHは、遊離酵素の場合とほぼ同じだった。バイオリアクターモデルとしての検討:モデルとして(1)固定化複合酵素-バッチ法、(2)固定化ウレアーゼおよびGDH-バッチ法、(3)固定化複合酵素-カラム法、(4)固定化ウレアーゼおよびGDH-カラム法の連続使用時の活性度を測定した。その結果、各リアクターの活性度は(4)≧(2)>(3)≧(1)となった。
|