1996 Fiscal Year Annual Research Report
運動部員に対する有効なソーシャル・サポートの発達的検討
Project/Area Number |
08780110
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Research Institution | Musashigaoka College |
Principal Investigator |
桂 和仁 武蔵丘短期大学, 健康生活科, 助手 (00233768)
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Keywords | ソーシャル・サポート / ストレス / 適応感 / 精神的安寧 / 運動部 / 発達差 |
Research Abstract |
本研究は、1)中学、高校運動部員における普遍的ストレスを縦断的に検討し、2)誰からの、どの種のソーシャル・サポートが精神的安寧に貢献するのかを明らかにすることを目的として行われた。2つの中学校と5つの高校の新入部員に対し、4回にわたって、1)「運動部活動における適応感評定尺度」短縮版、2)「対人用心理的距離地図」、3)「環境移行事態にともなうストレス調査票」、4)「運動部員におけるソーシャル・サポート評定尺度」による質問紙調査を実施した。又、1)の適応感評定尺度において特徴的な変化を示した部員に対して、各時期におけるストレス内容、ソーシャル・サポートの影響、対人環境の認知変容を明らかにすることを目的とした面接調査を実施した。得られた資料における分析の結果および面接内容から以下のことが明らかになった。 1)ストレスについて;中学生においては、入部当初、自己の競技への向き不向きとか、部活動としてその種目を継続していくことの意義が大きなストレスとなっていたものが、継時的に指導者との関係がストレスとなっていくことが窺えた。また、高校生においては、入部当初から継続して部活動を続けることで他の活動に制約・束縛を受けることがストレスとなっており、継時的には、自己有能感の無さや、ティームメイトとの関係がストレスとなっていくことが窺えた。 2)ソーシャル・サポートについて;中学生においては、指導者からの情緒的サポートが入部当初から調査終了時(12月)まで一貫して有効であり、他の部員からのサポートの有効性については個人差が大きく、普遍性は見い出せなかった。高校生においては、中学生と異なり、入部当初においては指導者からのサポートも有効なものの、時を経るにつれ、他の部員や友人からの情緒的、道具的サポートが有効となるようであった。この傾向は、特に女子部員に強くみられる様であった。
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