1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08780306
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
福田 光一 上智大学, 理工学部, 助手 (20245799)
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Keywords | DCT / ブロックひずみ / 2次計画法 / 画像修復 / 画像符号化 / JPEG / 最適化問題 |
Research Abstract |
離散コサイン変換(DCT)を用いた画像符号化法によって低ビットレートで画像を符号化したときに、その再生画像でブロックひずみが発声するという問題がある。この問題を符号化データの受信側で解決する方法として、ブロック毎に低周波側のDCT係数の推定値を求める方法について検討した。この方法では、対象とするブロックと近傍の8ブロックを高次コサイン関数で近似し、その近似曲面を介してDCT係数の推定値を求めている。高次コサイン関数は24×24点の2D-DCTがもつ基底関数で定義する。そして、近似曲面の未知係数の決定にあたっては、量子化テーブルからDCT係数に関する制約条件を加えた2次計画問題として定式化した。 すべてのブロックで近似曲面の次数を一定にして、上記の方法により低ビットレートで符号化したデータからの画像再生を行なったところ、近似曲面の次数が低い場合には画像平坦部に発生するブロックひずみを十分に抑制することができた。しかし、エッジ部分では逆量子化値が大きいDCT係数が比較的高次まで残るっているため、ブロックひずみの抑制効果が低くなっている。一方、近似曲面の次数を高くした場合にはエッジ部分でのブロックひずみは改善される。しかし、近似曲面の高次項の影響で、平坦部では画素値の変化を滑らかにすることが難しくなっている。このような結果から、近似曲面の次数を画像の局所的な特性によって変える必要があると分かった。 ブロックに応じた近似曲面の次数を決定するための評価基準として、再生ブロックのラプラシアンや境界画素値の差分、情報量基準などについて検討したが、これまでのところ有効な基準は得られていない。また、DCT係数の推定値を求める際に平滑化後の境界画素値を利用することも予定していたが、十分に検討するまでには至らなかった。今後はこの条件も考慮し、ブロックに対して適応的に高次コサイン関数の次数を変化させて有効な推定値を求める方法へ導きたいと考えている。
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