1996 Fiscal Year Annual Research Report
嗅覚系における神経回路の発生機構の共培養法による解析
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08780779
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
玉田 篤史 理化学研究所, 機能分子研究チーム, フロンティア研究員 (60270576)
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Keywords | 嗅上皮 / 嗅細胞 / 嗅神経 / 表皮外胚葉 / 嗅球 / 共培養 / 拡散性誘引因子 |
Research Abstract |
嗅細胞の誘導機構 まず、神経系のマーカー分子に対する免疫組織染色により、生体内の発生過程では、E12からNCAM陽性かつGAP43陽性の嗅細胞が現れることが明らかになった。この結果に基づき、マーカーをまだ発現していないE11の嗅上皮予定領域の表皮外胚葉を単独で培養したところ、マーカーが発現するようなった。しかし、もっと早いE10の表皮を単独で培養しても、マーカーがほとんど発現しなかった。このことから、嗅上皮への分化の方向性はE10からE11の間に決まることが示唆された。さらに、E10の表皮を表皮の内側に存在する間葉組織および終脳の組織片と共培養した結果、表皮の多くの細胞はマーカーを発現するようになった。このことは、表皮から嗅上皮への分化に間葉組織及び終脳が役割を果たすことを示唆する。 2 嗅細胞の軸策ガイド機構 嗅神経が終脳の嗅球から拡散性誘引因子によって嗅球にガイドされる可能性を嗅上皮と嗅球のコラーゲンゲル内での共培養法により調べた。その結果、嗅神経の伸長は嗅上皮単独培養の場合と嗅上皮と嗅球の共培養の場合とで差が認められなかった。これに対し、嗅上皮を嗅球の組織を接触させて培養した場合には、嗅上皮から伸びた嗅神経が嗅球内に侵入する様子が観察された。これらの結果は嗅神経は嗅球からの拡散性分子ではなく、伸長経路での接触依存性の細胞間相互作用によって嗅球まで誘導される可能性を支持する。 3 嗅神経投射の嗅球の分化への関与 上に挙げたように、嗅上皮と嗅球の共培養系において嗅神経の嗅球への投射を培養下で再現できたので、現在、この実験系で、嗅神経の嗅球予定領域への神経支配が嗅球を誘導するかどうか調べている。そのために、嗅球の分化のマーカーとなるR4B12分子(吉原、川崎、玉田ら、論文投稿中)の生体内および培養系での発現を調べている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tamada,Yoshihara,Mori: "Differential expression of TAG-1/F3 and L1 AxCAM subgroup members in the developing and adult rat nervous system." Neuroscience Research. 20(Suppl.). 118- (1996)
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[Publications] Yoshihara,Tamada,Kagamiyama,Mori: "Expression of axonal glycoprotein BIG-2 on subsets of olfactory receptor neurons." Neuroscience Research. 20(Suppl.). 114- (1996)