1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08833013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
森沢 幸子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60100971)
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Keywords | 無顎類 / ヌタウナギ / 受精 |
Research Abstract |
今年度は主として人工受精の基礎となる配偶子に関するデータを集めることに重点を置き、精子先体反応の誘起に成功するなどの成果が得られた。 1)精子に関しては精子先体反応の誘起に成功した。メクラウナギ類の精子先体胞開裂時に先体突起が形成されることが世界に先駆けて示された。先体反応の誘起に成功したことは人工受精に向けての大きな前進と言える。また、脊索動物の中にあって、脊椎動物無顎類メクラウナギ類の先体反応が先体突起を形成することが明らかになったことは、進化、系統学上、たいへん興味深い。一方、精子の運動を数種の条件下でビデオテープに記録し、解析を進めている。 2)卵に関しては、排卵後の卵における卵門下の微細構造を明らかにした。多数の卵門細胞が、より若い卵に較べて、互いに間隙をおくようになり、また、卵表には特殊な層状構造が存在した。卵門細胞とこの構造との間隙が大きくなっていた。産卵後の卵でも卵表の層状構造と考えられる構造が光学顕微鏡で観察された。ヌタウナギの卵門付近の構造は硬骨魚類とはかなり異なる可能性がある。この成果は国際シンポジウムで発表した。 3)米国産メクラウナギEptatretus stoutiについても研究を開始した。精子運動の記録など、配偶子に関する初期的データを得つつある。この種でもE.burgeri同様に生殖サイクルがあるらしいことを掴んだ。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.MORISAWA: "Fine Structure of the Micropylar Region During Oogenesis in the Hagfish,Eptatretus burgeri (Cyclostomata)" J.Reprod.Develop.43. (1977)
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[Publications] S.MORISAWA: "Exocytosis of the Acrosomal Vesicle of the Hagfish (Eptatretus burgeri) Spermatozoa" Zool.Sei.13. (1977)
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[Publications] K.INABA: "Proteasume-dependent Regulatory Passway for the Phosphorylation of Dynein Light Chain in Salmon Sperm" J.Reprod.Develop.43. (1997)