1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08834006
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
MICHAEL Stopa 理化学研究所, ナノ電子材料研究チーム, フロンティア研究員 (60281672)
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Keywords | クーロンブロッケード / 量子ドット / ハートリフォック近似 / 局所密度近似 |
Research Abstract |
量子ドットの準位スペクトルの振る舞いを研究している。これまで使ってきた方法は、局所密度近似を用いた密度汎関数法である。今年度、これに関して2編の論文を発表した。1編目は、「Quantum dot self-consistent electronic structure and the Coulomb blockade」(M.Stopa,Phys.Rev.B54,13767-13783(1996))と題するもので、ドットのエネルギーレベル、キャパシタンス、コンダクタンスの計算方法といろいろな計算結果を論じた長編である。2編目は、「Donor Ordering and the Statictics of Quantum Dot Level Width from Full 3D Self-consistent Electronic Structure」(M.Stopa,Superlattices and Microstructures、印刷中)で、量子ドット内の乱れの大きさの関数としての、ドットのレベル間隔の統計的性質に重点を置いている。 本研究の結果、フェルミ面では、セルフコンシステントな効果によって、エネルギーレベルが集まる傾向があり、このことはレベル間隔の統計に強く影響を及ぼすことが明らかになった。このエネルギーレベルが集まる効果は、ハートリー計算にあれわれる強い自己相関によって強調される。密度汎関数法でexchangeとcorrelationを含めると、自己相互作用の効果は減少するが、フェルミ面でのレベル凝集の効果は残る。文部省科研費の交付を受けて、私は現在、ハートリーフォック近似で電子構造を計算している。この方法は、密度汎関数法と違って、電子の自己相互作用を含んでいない。この「レベル凝集の効果」が物理的に観測可能な現象であり、クーロンブロッケイド領域でこれまで観測されてきた量子ドットの輸送現象を説明するにあたって重要であることをしめしたいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Stopa: "Quantum dot self-consistent electronic structure and the Coulomb blochade" Physical Review B. 54. 13767-13783 (1996)
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[Publications] M.Stopa: "Donor ordering and the statistics of guantum dot level widths from full 3D self-consistent electronic structure" Superlattices and Microstructures. (in press). (1997)