1996 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節内障における関節滑膜細胞の遺伝子発現の変化についての細胞生物学的研究
Project/Area Number |
08835011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 茂之 京都大学, 医学研究科, 講師 (50228996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 博昭 京都大学, 保健診療所, 助手 (40260624)
村上 賢一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00174269)
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Keywords | 顎関節 / 滑膜細胞 / 細胞外基質 / テネイシン / サイトカイン / In-situ hybridization / 顎関節内障 |
Research Abstract |
今年度われわれは顎関節疾患患者の顎関節手術症例(顎関節授動術3症例、顎関節円板切除症例4例、顎関節鏡視下剥離受動術症例3症例)より得た顎関節滑膜を30%自己血清下に培養を試みた。その結果、開口障害あるいは疼痛の強い患者から得られた滑膜細胞ほど、細胞増殖が激しいことが観察された。これは、滑膜細胞の何らかの形質変化によりサイトカインのオ-ククラインによる滑膜細胞の異常増殖、発痛物質の発現などを示すものと考えられた。そこで、この培養細胞に対してでTGF-βのELISAによる定量を行ったが正常血清と有為差はなかった。さらに、プロスタグランジン(PGE1)の分泌の有無の定量を急いでいる。また、これら細胞株が滑膜細胞由来であるか線維芽細胞由来であるかの同定を、アクチン、ビメンチン、サイトケラチンなどを用いた免疫組織化学的手法にて試みたが、残念ながら滑膜細胞由来であるか線維芽細胞由来であるのかの有意義な同定法とはならなかった。ただし、特に炎症、増殖、肥厚をともなった病的顎関節腔内の顎関節滑膜細胞には、その培養細胞を用いた研究でも免疫組織化学的にテネイシンの局在を確認できた。そこで、同じ摘出標本のパラフィン切片を用いてテネイシンのIn-situ-hybridizationを施行したところ、テネイシンのmRNAが顎関節円板最表層特に肥厚をともなった病的滑膜、線維芽細胞に確認できた。これにより顎関節内障の滑膜での滑膜細胞のテネイシンの産生が明らかとなった。今後は、さらにTGF-β,EGFなどのサイトカインを滑膜培養細胞に添加して細胞の変化を観察するとともに、これらサイトカインのIn-situ-hybridizationを施行しその産生分布を解明したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 吉田博昭: "ヒト顎関節摘出標本におけるTGF-βの局在について" 日本口腔外科学会. 42・7. 672-676 (1996)
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[Publications] HIROAKI YOSHIDA: "An immunohistochemical and in situhybridization study of the expression on Tenascin in the synovial membranes from human TMD" Archivus and Oral Bilogy. (In press). (1997)
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[Publications] HIROAKI YOSHIDA: "The specific expression of tenascin in the synovial membrane of the temporamandibular joint with internal derangement:An immuhohistachemical study" Histochemistry and Cell Biology. (In press). (1997)
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[Publications] SHIGEYUKI FUJITA: "Transforming growth fuctor and Tenascin in the TMJ Synovial chorclrmatosis" Int J Oral and Maxillofacial Surgery. (In press). (1997)