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1996 Fiscal Year Annual Research Report

異文化コミュニティへの参加過程に見られる談話特性-多分化・単言語状況における教師と子どもの相互行為に対する談話分析-

Research Project

Project/Area Number 08837001
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Section時限
Research InstitutionMiyagi University of Education

Principal Investigator

石黒 広昭  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (00232281)

Keywords異文化 / 日本語 / 母語 / 保育 / 談話 / トランスクリプト / 参与観察 / 参加
Research Abstract

本研究の平成8年度分の調査は、日本語非母語児の参加する保育所活動に対して行われた。調査者は、保育所に6月から卒園月の3月まで基本的に週一度参与観察に行き、その様子をビデオに記録した。本研究で焦点事例となったのはウクライナから両親とともに来日し、日本の保育所年長クラスに在籍する子どもとその子どもの保育者、同じクラスの子ども達である。当該児は、ロシア語を母語とし、入所当時はほとんど日本語を使用することができなかった。
この子と回りの日本語使用者がどのような関わりを持ち、それが卒園月までどのような経過で変化していくのか明らかにするために、特に「朝会」と呼ばれる毎日行われる集団活動の場面に焦点をあて、その朝会が撮影されているすべての撮影記録の中から月に約一つの割合で日本語非母語児が参加している朝会を抜き出し、それについてビデオから文字起こしをし、トランスクリプトを作成した。ビデオ記録がある観察は22回であるが、その内トランスクリプトを作成した朝会は9回である。この9回の朝会について、その活動がどのような活動から構成されているのか、保母と子ども達の言語的なやりとりを中心に基本活動を抽出し、その談話特徴を分析した。その結果、朝会活動は、挨拶(開始合図、挨拶)、準備(着席確認、直前活動関連事項)、前舌(ビデオ撮影について、昨日の活動について)、歌や演奏(歌、楽器演奏)、日付確認(カレンダー確認)、出欠確認(出欠確認、欠席者確認)、当番確認、当番等への依頼(紙芝居の依頼、給食調査依頼、出欠簿提出依頼)、当番待機時活動、給食報告(給食報告)、設定保育への導入、事件(喧嘩)のサブ活動から構成されていることがわかった。それぞれの活動は「クラス全体に対して行うか、クラス構成員に対して行うのか」、「いつも同じ応答が求められる.違う応答が求められるのか」、「個別に対応する義務があるのか、応答が自己選択によるのか」の三つの観点から分類でき、日本語非母語者である新参者を集団活動に参加させる際に保母は、比較的対処の容易ないつも同じ応答で済む活動から参加を促していた。また、日本語非母語児は時間経過とともに、応答をする義務がないものにまで自主的に応えるようになり、談話内での役割が変化していった。

URL: 

Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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