1996 Fiscal Year Annual Research Report
健常児と言語発達遅滞児における会話技能の発達と指導方法の開発に関する研究
Project/Area Number |
08837006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
長崎 勤 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80172518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 敦 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10211187)
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Keywords | 会語 / 話用論 / 選択質問 / 言語指導 / ダウン症児 / 発達障害児 |
Research Abstract |
(1)健常3、4、5歳児の「相手の意図を尋ねる」選択質問会話行為の発達 健常児の3〜5歳児の工作場面における「相手の意図を尋ねる」選択質問の遂行経過を分析した。対象児は3歳児3名、4歳児2名、5歳児1名で、対象児の家庭において(1)ラポールをつけるために実験者と対象児が10分間ほどおもちゃを用いて遊ぶ。(2)子どもと実験者が簡単な製作物を作る。製作物は紙とクリップが2色から選択できるようになっている。(3)実験者は「A(補助実験者)さんにも作ってあげようか」と働きかける。(4)次に実験者は「お母さんにも作ってあげようか」と働きかける。補助実験者に作る場合には、実験者はプロンプト-を一切行わず、母親に作る際「相手の意図を尋ねる行為」が行えなかった場合は「それでいいのかな?」「どっちがいいか聞いてきて」などのプロンプトを行った。3歳児ではプロンプトがなければ「相手の意図を尋ねる」ことは困難で、4歳児で自発的に相手の意図を尋ねようとする萌芽が見られたが、プロンプトがあって発話したときにも、その発話の含意「どちらか好きな方を選んでいいよ」の理解は不十分であった。5歳児では相手の意図を尋ね、それに応じるという発話行為が達成されていた。3、4歳でみられたような「相手の意図を尋ねる」選択質問の発達におけるプロンプターとしての大人の役割の大きさもまた示唆された。 (2)言語発達遅滞児に対する会話技能の指導 ディスコースユニットモデルをもとに場面を設定し、言語発達遅滞児の会話技能の指導を実施中である。対象児は7歳(MA4歳2ケ月)のダウン症女児。指導は上記の観察場面と同様な工作場面で子どもが大人に選択質問をする。身体援助、言語指示、モデル提示などの段階的な援助を与え、ユニットの獲得をめざし、聞き手の意図を想定した発話行為の遂行を促している。
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