1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳の老化におけるプロテオグリカンの動態について
Project/Area Number |
08838024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
嶋田 裕之 東京医科大学, 医学部, 教授 (60113487)
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Keywords | 脳の老化 / プロテオグリカン / 免疫組織化学的染色 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
{脳の老化}で出現する老人斑-neuritic plaques(NPs)および神経原線維変化-neurofibrillary tangles(NFTs)での免疫染色性では、抗-HSPG-抗体が一般に強く陽性を示したが、他の4種の抗体についても陽性に観察された。Neuronに関しては、検討した抗体全てにおいて、免疫染色陽性がみられた。グリア細胞と細胞外基質については、HSPG以外の抗体で抗原性が認識された。脳内血管については、amyloid-depositsを含まない血管、主に毛細血管で抗-HSPG-抗体との反応性が顕著にみられ、しかし、他の4種類の抗体ではamyloido-depositsを含む血管でのみ陽性を示した。つまり、HSPGは正常血管の通常成分(common component)として証明された。HSPGに関する限り文献的にも同一の成績であった。 本研究で明らかになったことは、HSPG以外のプロテオグリカンの発現も脳の老化と深く関わることが示された。Neuronやglia cellに複数のPGsの蓄積をみたことは、PGsが単独ではなくグループの形で脳の老化に与り、生体蛋白として老化脳に存在するベータ蛋白やタウ蛋白と親和性をもち、neuronの変性、消失、NPs、NFTsの形成に至る過程を意味すると考える。以上の諸結果を正常老化脳とアルツハイマー病の脳とで比較すると両者の間には免疫染色、強度の点で形態学的な差異は認められなかった。 Alzheimer病についてのHSPGの局在についての報告は数編あるが、多数の正常ヒト老化脳の組織細胞内のPGsについての研究は始めてであり、通常のホルマリン固定、パラフィン包埋切片では困難とされていたヒト脳組織での免疫染色に成功した。
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Research Products
(1 results)