1997 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動性ニューロン特異的ガングリオシドChol-lαの加齢変化
Project/Area Number |
08838029
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
脇 初枝 (財)東京都老人総合研究所, 生体膜部門, 主任研究員 (60104585)
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Keywords | コリン性ニューロン / Chol-lα / ガングリオシド / 加齢 / 脳 / ラット |
Research Abstract |
ガングリオシドは糖鎖部分にシアル酸を有する酸性スフィンゴ糖脂質で、神経細胞の突起進展や海馬の長期増強の促進など脳機能への関与が示唆されている。Chol-lαはコリン作動性ニューロンに特異的に発現するガングリオシドである。最近、Chol-lαの化学構造が明らかになった。またChol-lαに対するモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色で、その脳内分布も明らかになった。本研究では、Chol-lαをマーカーとしてコリン作動性ニューロンの加齢変化を明らかにすることを目的とした。 本年度は、成熟(8か月齢)および老齢(30か月齢)ラットの脳の7つの部位(前頭葉皮質、側頭葉皮質、後頭葉皮質、嗅内皮質、線条体、海馬、中隔領域)よりガングリオシド画分を調製し、加齢に伴うChol-lα量の変化を調べた。Chol-lα量は抗Chol-lαモノクローナル抗体を用いたTLC-免疫染色法で定量した。Chol-lαレベルは、嗅内皮質と線条体で老齢ラットの方が有意に高かった。また前頭葉皮質、側頭葉皮質、後頭葉皮質でも老齢で高い傾向にあった。総ガングリオシド量に対するChol-lα量の割合は、後頭葉皮質と線条体で加齢により増加していた。また、前頭葉皮質、側頭葉皮質、中隔領域でも増加傾向であった。これらのことより、Chol-lαを発現しているニューロンは、他のニューロン群より神経突起の再生やシナプスの再構築が活発であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Tanaka,H.Waki,K.Kon and S.Ando: "Gangliosides enhance KCl-induced Ca^<2+> influx and acetylcholine release in brain synap to somes" Neuroreport. 8. 2203-2207 (1997)
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[Publications] K.Kon,S.Ando,H.Waki,H.Yukaw and S.Shibata: "Correlation of olietary food intakes and serum lipid fatty acids in urban senior citizens" Facts Research and Intervention in Geriatrics. 125-136 (1997)