アンケート調査に基づく道徳意識の諸相の研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08871006
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 高橋 隆雄 熊本大学, 文学部, 助教授 (00145278)
• Keywords: 道徳意識のアンケート / 道徳意識

Research Abstract

本年度は資料収集と、調査項目・質問内容の選定にあてるというのが当初の計画であった。そのために何度か国会図書館に赴いて意識調査の現状を調べたり、実際に意識調査を実施している人々と会って話を聞くことで、私が計画している調査がほとんど前例のないものであることを確認した。そして調査の仕方に関する概要もつかめてきた。それと同時並行的に、道徳意識の複雑な構造を理解するために文献も入手し、そこからも多くの示唆を得ることができた。また、調査の結果を統計的に分析することになるので統計学関係の文献も入手して理解に努めてきた。こうした作業を通じて当初の計画はほぼ達成できたと思う。そして本年度は以上のことに加えて、意識調査に携わっている人々の意見を参考にして、始めの計画にはなかったことであるが、本調査の前に予備調査をしてみることにした。質問項目は24問として、熊本県内のある高校の協力のもとに、2月上旬に高校1年生を対象に道徳意識の構造を探るための予備調査としてのアンケート調査を実施した。188名の回答が得られ、早速データの入力をしてまずは簡単な統計をとってはみたが、これだけでも高校生についての私の従来持っていたイメージとの違いが表われており、調査の必要性を改めて実感した。また、調査項目と質問内容の選定や質問項目の配置に関しても有益な情報を得ることができた。本年度中により複雑な統計結果を出して分析してみる予定であるが、この調査は今年の夏頃に予定している本調査にとっての貴重な経験になった。