アンケート調査に基づく道徳意識の諸相の研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08871006
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 高橋 隆雄 熊本大学, 文学部, 教授 (00145278)
• Keywords: 道徳意識のアンケート / 道徳意識

Research Abstract

当初の予定では、1200〜1400名の高校1年生へのアンケートを実施する予定であったが、対象者は大幅に増えて、結局、18校約3600名となった。調査対象となる高校の所在地に関しても、はじめは熊本県内をだけを考えていたが、愛媛、横浜へと広がり、都立高校も5校含むこととなり、質量ともに相当に充実した調査となったといえる。このため、愛媛県や首都圏へ何回か出むいて高校に調査を依頼したり、調査の暫定的結果を報告した。それらの本調査に加えて、違う設問を用いて大学生へのアンケートも3度実施し、さらに、高校3年生400名を対象のアンケートも実施した。そのようなわけで、この1年はほとんど1年中アンケート調査をしていたといえる。データの入力だけでも時間がかかるが、その解析にはそれ以上の多大な時間を要した。度数分布表とクロス集計表の作作成、偏相関の図示をすべての高校毎にするのはもちろんとして、「いじめ」や「自由主義」といったトピックに応じて並べ変えたデータについてもそれを行ったため、想像以上の作業量であった。また、何度も試行錯誤をしたおかげで、統計解析の方法やデータの読みかたについてはこの1年でかなりの進歩をしたし、現代の道徳意識の実情についての理解も相当進展したと思っている。そしてさらに、アンケート調査という方法が倫理学という学問に不可欠であるということを確信できたのも大きな収穫である。当初の予定からすれば、本年度の調査だけでも十分すぎるほどではあるが、道徳意識の構造をさらに多面的に把握するため、次年度は中学生へのアンケートを試みたいし、また、高校生にも設問を変えて実施してみる予定である。