1997 Fiscal Year Annual Research Report
住宅の法的規制に関するポスト・モダン社会理論(共同体論)的研究
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08872004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 法学部, 教授 (00143347)
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Keywords | 所有法 / 住宅法 / ポスト・モダン / 法解釈方理論 / 共同体論 / マンション管理 |
Research Abstract |
本研究は、ポスト・モダン(ポスト近代法)の法解釈理論のあり方の研究と住宅法(賃貸借法及びマンション法を中心とする)の各論的研究の二つに大別できるが、後者は広く所有権法の一理をなすものである、そしてこの二年間のかかりの部分は前者の哲学的・思想的研究にあてられ、文献は膨大であったが一定の研究の進学を見せ、私法学分学でも報告を行った。また所有法に関しても、程々の領域で-近時アメリカで注目を集めている人格権的所用論との関わりで-人工生殖、環境、情報及び知的所有権の領域で、言力は外堀を埋める作業を行い、各々につき業績を発表した。そすて、本研究の理論的バックボーンとなっている共同体論の思想的バックグラウンドをなす。個人主義の弊害、疎外論、共同体、コミュニティの意義につき、検討を行い、部分的に成果は発表し、アメリカの共同体主義の動的などは今後研究を継続している。そして民法の領域での具体的場面としては、マンション管理とアメリカの住宅共同体管理との比較研究、また借家法の法的規制のあり方として、わが国の「正当」内の是非、アメリカの賃料に対するコミュニティー的規制(レント・コントロール)の比較研究を行い、近くその成果を発表する予定だが、背景の相違も痛感している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉田邦彦: "現代思想から見た民法解釈方法論" 北大法学論集. 47巻6号. 1855-1881 (1997)
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[Publications] 吉田邦彦: "アメリカ法における「所有権法の理論」と代理間問題(前編)(後編)" 星野古稀・日本民法学の形成と課題下(有賀間)山〓古稀・民法学と比軟法学の課題下(信山社). 1167-1208/189-222 (1996)
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[Publications] 吉田邦彦: "日本版リバタリアニズム所有権論に関する-考察-とリュヘ-バルの人権的所有論を手がかりとして-" 民商法雑誌. 115巻1号. 158-174 (1996)
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[Publications] 吉田邦彦: "環境権と所有理論の新展1冊" 新・現代〓賠償法講座〓(日本理論社). 208-248 (1998)
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[Publications] 吉田邦彦: "情報の利用・流通の民事法的規制" ジュリスト. 1126号. 185-192 (1998)
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[Publications] 吉田邦彦: "(書評)瀬川信久・日本の借地" ジュリスト. 1084号. 120-123 (1996)