1996 Fiscal Year Annual Research Report
ガス燃焼式多孔構造熱電発電装置用多孔質焼結体の作製と特性評価
Project/Area Number |
08875135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 宏爾 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30011109)
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Keywords | 熱電発電 / 二珪化鉄 / 焼結体 / 多孔質体 / 性能指数 / パラジウム / 半導体 / ガス燃焼 |
Research Abstract |
熱電発電は、熱エネルギーの有効利用法としても注目を集めてきているが、新型式の装置としてガス燃焼式多孔構造熱電発電装置が提唱されている。申請者らは、同装置用の熱電変換素子として、既にクロメル/アルメル多孔質焼結接合体の作製と特性解明を行なっている.本研究では、クロメルおよびアルメルと同様に耐熱性、耐酸化性に優れ、またそれらよりも資源的に豊富な半導体型のp-FeSi_2/n-FeSi_2熱電発電素子に着目し、FeSi_2の粗粉を用いて、p-とn-FeSi_2の多孔質焼結体作製が可能であるかどうか、かつ,それらの接合体の作製の可否と熱電特性を明らかにすることを、当初の研究目的とした。しかし、このFeSi_2は包析温度の1259K以上では金属相のFeSiとFe_2Si_5となり,同温度より高温で焼結して得られる焼結体の構成相をFeSi_2半導体相とするためには1110-1150Kで50時間以上焼鈍する必要があることから,あらかじめ,FeSi+Fe_2Si_5→FeSi_2包析反応を促進し半導体化焼鈍時間を短縮する有用な添加物を探索することした.その結果,Pdを2mass%以上添加することにより,半導体化焼鈍時間がPd無添加試料の50時間の1/60である0.7時間へ短縮されることを見い出した.次に,当初の研究目的について検討し,以下の結果を得た.(1)p-とn-FeSi_2多孔質焼結体およびそれらの多孔質焼結接合体は,1423K-3.6ksの真空中での焼結によって作製可能である.(2)多孔質焼結接合体の性能指数は緻密接合体の約70%,アルメル/クロメル多孔質焼結接合体の約16%の値を示す.
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