1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877146
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
富樫 俊二 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (30172141)
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Keywords | シグマ受容体 / 内在性物質 / ハロペリドール / 抗ハロペリドールモノクローナル抗体 / イムノアフィニティークロマトグラフィー / 高速液体クロマトグラフィー / 1.3-ch-(2-(tolyl)guanidine / (+)pentazocine |
Research Abstract |
これまでの研究でシグマ受容体に作用する内在性物質の性質は、以下のごとくであることが判っている。90℃の熱処理やプロテアーゼ処理に対して安定であり、分子量は700以下と推測される。内在性物質はδ_1とδ_2の両方のδ受容体サブタイプを認識するが、[^3II]-TCP,[^3II]-raclopride,[^3II]-naloxone,[^3II]-QNBなどの結合は抑制しないことから、フェンサイクリジン受容体、ドバミン受容体、オピオイド受容体、ムスカリニックアセチルコリン受容体などには結合しないことが判明している。 今年度は、シグマ受容体に作用する内在性物質を大量に得るために、牛脳30頭分を出発材料とした。牛脳を2倍容の1M酢酸中でポリトロンホモジナイズした後、遠心分離(20,000×g,30min)した。その上清に等量のジエチルエーテルを加えて振とうし、エーテル層を分離した。エーテル層を凍結乾燥し、その沈さを0.1M酢酸に溶解したのち、Sep-Pak C18カラムに吸着させた。カラムを十分洗浄したのち、60%アセトニトリルで溶出した。溶出分画を凍結乾燥したのち、トリス緩衝液に溶解し、抗ハロペリドールモノクローナル抗体セファロースカラムに結合させた。0.5M NaClおよび蒸留水で洗浄したのち、0.1M酢酸で溶出し、もう一度Sep-Pak C18カラムで精製した。この段階で得られた精製物質の量は約10μgと極めて微量であった。本来ならばHPLCでさらに精製する予定であるが、質量分析法、赤外線分光法、核磁気共鳴分光法などを組み合わせて分子構造を決定するためにはさらに多くの試料が必要である。
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