1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877234
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
作 良彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60274784)
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Keywords | 形状記憶合金 / 脊柱側弯 / 形状記憶効果 / 超弾性効果 |
Research Abstract |
【目的】形状記憶合金による脊柱側弯の強制実験を行った。 【方法】1、力学的金属特性測定 オートグラフで側弯動物の矯正実験に使用するTi-Ni系形状記憶合金(55.7%weight Ni,直径3mm,長さ60mm円柱直棒)の3点曲げ試験を施行した。形状記憶効果発現用ロッド(形状回復開始温度;35℃,形状回復終了温度;48℃)を48℃まで加熱した際の形状回復応力と超弾性効果発現用ロッド(形状回復開始温度;20℃,形状回復終了温度;30℃)の恒温漕36℃下の超弾性応力を測定した。 2、側弯矯正実験 肋骨締結法で作製した日本白色家兎の屍体側弯脊柱モデルに形状記憶合金ロッド1本を利用して4椎弓のsublamina wiring法で脊椎後方固定術を施行した。1体は形状記憶効果用ロッドを使用し週1回で5回に分けて48℃まで体外から加熱し形状回復応力を作用させた。その際、硬膜外温度を測定した。残りの1体は超弾性効果用ロッドを使用して体温36℃の恒温槽下での5週間の経過観察をおこなった。それぞれ単純X線像で比較検討した。 【結果】1、形状記憶効果用ロッドの形状回復応力は、7mm変位量に対し198Nの応力を発生した。超弾性効果用ロッドの超弾性応力は、7mm変位量に対し248Nを発生した。 2、形状記憶効果用ロッド使用例では,手術施行前側弯角43度が1回施行時40度,2回施行時40度,3回施行時35度,4回施行時18度,5回施行時4度と徐々に矯正された。その際硬膜外温度は48度であった。超弾性効果用ロッド使用例では,手術施行前側弯角43度が,施行時度35度,施行後1週時20度,2週時10度,3週時5度,4週時,5週時0度と矯正された。 【考察】形状記憶合金は脊柱側弯の矯正を徐々に行うことが可能であり有用であった。形状記憶効果では加熱回数により段階的な矯正が可能であった。しかし硬膜外高温化による脊髄障害発生の危険性が危惧された。超弾性効果では矯正の調節は困難であった。 【結語】形状記憶合金は脊柱側弯の矯正に有用であると考えられる。
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