1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料中の微量含有薬物や生体成分の分析を目的とした簡便な室温りん光法の開発
Project/Area Number |
08877322
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北出 達也 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10161481)
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Keywords | 室温りん光法 / ポリビニルアルコール / 臨床分析法 / 血清中濃度 / 高感度分析 / プロカインアミド / セロトニン |
Research Abstract |
ポリビニルアルコールを固体基質とした室温りん光法を用い、血清中に含有される抗不整脈薬である、プロカインアミド(PA)、またその活性代謝物であるN-アセチルプロカインアミド(NAPA)の簡便、迅速かつ高感度な臨床分析法の開発を行った。同時に生体成分としてトリプトファン由来のインドールアルキルアミンであるセロトニン(5-HT)の分析も試みた。 血清中には分析目的物質以外に多くの発りん光性を持った狭雑物が含有されており、その中でもアルブミン等のタンパク質は多量に含まれているため分析に際して大きく妨害をする。そこで、基質表面層においてこれらの妨害物質をなるべく分離除去できる7層の構造を持った新規な基質を新たに開発し、この基質を用いて血清中のPAやNAPAの分析を行った。ウシ血清中に所定量のPAやNAPAを添加したものを試料とし検討を行った。PAおよびNAPAの検量線の直線域はそれぞれ1.2〜235μg/mL、1.4〜277μg/mLで両薬物とも血清中の治療濃度範囲をカバーしており、また両検量線とも相関係数は0.99で良好な直線性を示し、本法がPAやNAPAの簡便迅速な臨床分析法として応用できる可能性が示唆された。 5-HTの水溶液を試料として平成8年度に検討した最も強いりん光強度を示す条件下で検量線を作成したところ直線域は0.18〜17.6μg/mL、相間係数0.99であった。血清中の下限濃度(0.04μg/mL)付近の定量に際しては濃縮操作が必要であるが、正常値の上限付近は濃縮操作をすることなく十分定量可能であることが分った。
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Research Products
(1 results)