1996 Fiscal Year Annual Research Report
エンドペプチダーゼ組み合わせ法によるレセプターラベル部位の決定
Project/Area Number |
08877336
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90164798)
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Keywords | エンドペプチダーゼ / 光親和性ラベル / レチノイン酸レセプター / レチノイド / 結合部位 / 分子認識 |
Research Abstract |
特に哺乳動物細胞の増殖や分化において決定的な役割を担うレチノイン酸レセプター(RAR)-αを研究素材に選択し,(1)これを特異的に認識して共有結合を生成し得る新規光親和性ラベル化剤をデザインし合成し、(2)ラベル化剤結合RAR-αを得、(3)この複合体についてエンドペプチダーゼ組み合わせ法を適用してそのラベル化部位をアミノ酸配列のレベルで特定した。 光親和性ラベル化剤としては、合成レチノイドAm580骨格にスペーサーを介してアジドダンシル基を導入したADAM-3及び、合成レチノイド骨格内に直接トリフルオロメチルジアジリン基を導入したAm540Pをデザイン・合成した。両化合物とも、期待どうりRAR-αに特異的に結合し、光照射によって特異的に共有結合を生成した。 得られる修飾RAR-αについて、Lys-C, Asp-N, Glu-C, Arg-Cの4種のエンドペプチダーゼを用い、これらの任意の2種のペプチダーゼの組み合わせによる2段階消化を行い、修飾ペプチドフラグメントのHPLCにおける挙動を解析することによってラベル化部位の特定を行った。その結果、ADAM-3はヒトRAR-αのヘリックス8:385番目Arg(もしくはその近傍)と、ヘリックス6:288-306番目フラグメント内の2か所、Am540Pはヘリックス11:391-393番目フラグメント内に共有結合を生成することを確認した。 いずれの位置も、RARのリガンド結合ポケットを形成するヘリックスの内側に対応し、特にAm540Pの結合部位は、all-trans-レチノイン酸のジメチルシクロヘキシル基が直接相互作用するアミノ酸部位に対応し、本方法の有用性・妥当性が証明できた。
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[Publications] Toru Sasakiら: "Location of two photo affinity-labeled sites on the ligand-binding domain〜." Biological and Pharmaceutical Bulletin. 19・5. 659-664 (1996)
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[Publications] Yuichi Hashimotoら: "Photo affinity labeling of RAR and mapping the labeled sites with endoproteinase〜" Methods in Molecular Biology. (印刷中).
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[Publications] Akihiko Azumaら: "Photo affinity labeling of tumor promoter-binding protein (CN-TPBP) and 〜" Biological and Pharmaceutical Bulletin. 20・1. 6-9 (1997)
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[Publications] 梅宮広樹: "レチノイデ アンタゴニスト" 薬学雑誌. 116・12. 928-941 (1996)