1996 Fiscal Year Annual Research Report
酵母を用いた時間生物学:生物時計と自食死の分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
08878122
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
剱 邦夫 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10018690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊波 英克 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50242631)
望月 光由 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90174341)
三井 和浩 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20174063)
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Keywords | 出芽酵母 / 生物時計 / 時計遺伝子 / 多剤耐性 / 自食死 / 2ミクロプラスミド |
Research Abstract |
(1)時計候補遺伝子GTS1の作用機構を調べるため、産物Gts1pと相互反応するタンパク質を同定するため,two-hybrid法でcDNAライブラリーを用いてスクリーニングし,結合してくるタンパク質の検索を行った.その結果,Gts1pはホモダイマーを形成することが解り、その結合には中央ややC末端側の約20アミノ酸配列が関係していることがわかった.この部位は多剤耐性トランスポーターのC末端と高いホモロジーがあり、Gts1pとも相互反応することがわかった.この部位のアスパラギン酸の部位特異的変異株の表現型の検索から、ホモダイマーの形成が出芽のタイミングや細胞サイズなどのGts1pの機能に関係していること、シクロヘキシミドやカドミウムの耐性に関係していることが解った(投稿準備中).また、Gts1pは解糖系の酵素、抗酸化作用を示す酵素、タンパク質などとも相互作用することがわかった.これらのタンパク質との結合部位はホモダイマー結合部位とは異なるようで現在詳しく検索している.(2)酵母の自食死に関係する遺伝子の検索については、cdc28株をEMS処理して,自食死の起こりにくくなった(Dlp表現型と命名)遺伝子的に劣性な変異株を数株単離した.そのうちdlpl変異株は、Dlp表現型ばかりでなくコロニーの肥大化と寿命の短縮をしめした.詳しい検討から、DLP1遺伝子は、内因性2ミクロンプラスミドのコピー数の抑制を行っている遺伝子で、その変異により内因性2ミクロンプラスミドが増加し、これらの表現型が現われることがわかった(投稿準備中).また、老化によって細胞周期を止めた細胞もその後光学顕微鏡レベルで自食死とよく似た形態的変化を示しながら死んでいくことが示された.
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[Publications] S.Yaguchi et al.: "The pleiotropic effect of the GTS1 gene product on heat tolerance,sporulation and the life span." Biochem.Biophys.Res.Commun.218. 234-237 (1996)
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[Publications] M.Motizuki et al.: "A degradative process suggestive of autophagic death in the post-senescent cells of yeast…・" Yamanashi Medical Journal. 12(in press). (1997)
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[Publications] S.Yaguchi et al.: "Reexamination of the nucleotide sequence of GTS1,a candidate clock-related gene of S.cerevisiae." Biochemical Archives. (in press). (1997)