2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉本 啓 Tohoku University, 高等教育開発推進センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALASTAIR J.Butler 東北大学, 高等教育開発推進センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 形式意味論 / 文処理 / ダイナミック意味論 / スコープ・コントロール理論 |
Research Abstract |
スコープ・コントロール理論を南の文4段階階層構造説にもとづいて日本語文解析に適用する際の基本的問題について検討、解決することが今年度の課題であった。基本的な動詞文型を中心に、それに加えてボイス、時制表現、関係節等について一貫性を持ち、また普遍文法的に合理的な解析法を確立した。南が取り扱っている日本語の主要な助詞および助動詞を含む文の解析について、基本的な検討を行った。それにもとづいて、主語と主題および時制表現に関わるスコープの導入、特にそれらの従属節とのインタラクションにについて検討した結果をまとめた。これは、スコープの導入および制御にもとづいてヒトの言語処理をモデル化するスコープ・コントロール理論の良い適用例となり、理論の一般性を示すとともに、南の文法理論としてまとめられた日本語文法研究の蓄積が一般理論言語学全体の中で意義あるものであることを示すものである。また、提案した文法規則およびレキシコンを機能プログラミング言語であるStandard MLを使って解析シミュレーションするための基本的なソフトウェア開発を行った。
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