2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉本 啓 Tohoku University, 高等教育開発推進センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUTLER Alastair. J 東北大学, 高等教育開発推進センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 形式意味論 / 文処理 / ダイナミック意味論 / スコープ・コントロール理論 |
Research Abstract |
前年度の研究にもとづいて、スコープ・コントロール理論の理論的基盤をより充実させるとともに、文4段階階層構造説による日本語文解析をさらに発展させ、より複雑な構文の処理について考察して解析規則・辞書を充実させた。 理論的考察についてはButlerが単行本The Semantic Grammar of Dependenciesとして原稿を完成させ、今年7月にEmerald社から出版する予定である。これによって、同理論による言語一般に関わる解析理論、特に英語に関わるその開発は完了した。同書による解析例はすべて、プログラミング言語Standard MLによる解析シミュレーションを経たものである。 また日本語文解析については、これまでに指摘されてきた南の文4段階階層構造説に対する判例が基本的には同説の枠内で解決可能であることを示し、今後の研究のための基礎を作った。これにもとづいて、日本語の助詞「も」「か」を用いた量化表現について、階層構造にもとづくきわめて一般的な解析法を提案した。 また、これまでの成果を文の自動意味解析に応用する研究を東大情報科学研究科辻井研究室と共同で行い、成果を国際学会に投稿した。
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