2009 Fiscal Year Annual Research Report
韓国における意思決定の多層性と夫婦間ジェンダー不平等:日本との比較
Project/Area Number |
08F08007
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
永瀬 伸子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE S.J. お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 就業形態変化 / 個人別消費 / 個人別貯蓄 / 夫妻間格差 |
Research Abstract |
韓国における経済的資源配分とそれに関わる意思決定のメカニズムからみられる夫妻関係を把握するツールとして妻のためにつかうお金に注目し、分析を行った。その際、妻の就業形態変化を軸として、妻と夫個々人のために経済的資源がどのように配分されるのかに注目し、夫妻間の生活水準の変化を追った。夫妻の生活水準、夫妻間の生活水準の格差を把握する指標としては、家計費のなかで個人に配分される「個人のために使うお金」を用いた。 分析に用いるデータは、F-GENS韓国パネル調査データであり、分析対象は736世帯である。分析は、就業形態変化パターン別の個人別消費、個人別貯蓄を、1)時系列推移、2)世帯年収増減、妻年収増減との関係、3)夫妻間格差の変化の三つの分析軸に沿って検討した。 分析結果は以下のとおりである。第1に、妻の無職化グループにおいては、妻費および妻貯蓄を減少させるとともに、妻と夫のためにつかうお金における夫妻間格差を拡大させることが確認された。 第2に、妻の有職化グループにおいて妻費と夫費の関係をみると、働きはじめて2年目の時点での夫費と妻費の差は観察された期間のなかでもっとも差が少なく、夫を100とした夫妻比からも夫妻間の格差がもっとも少ない。つまり、妻の有職化によって、夫妻間格差が改善されたことが確認された。第3に、無職から有職になったときの就業形態に注目して、妻費と夫費、妻貯蓄と夫貯蓄の関係をみたところ、妻が専業主婦からフルタイムとして働き始めた直後は、妻費、妻貯蓄は増加、夫費、夫貯蓄は減少している。また、その増加率が描くカーブは妻年収の世帯年収に占める割合とも動きが同様である。つまり、無職からフルタイムになったグループにおいて、妻費には妻年収の増加の影響および、働いていることの両方が影響しているといえよう。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
李基栄・李秀眞
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Journal Title
「韓国の新たなガバナンスが構築する家族支援システム(第5章2-3項)」, 日本家政学会生活経営部会編, 『暮らしをつくりかえる生活経営力』(朝倉書店)
Pages: 145-153
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