2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 康雄 Nagoya University, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MULLER Erik Michael 名古屋大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | マゼラン雲 / 星間物質 / 分子ガス / 原子ガス / NANTEN2 |
Research Abstract |
本研究では、大小マゼラン雲とブリッジ領域を含むマゼラニッタ・システムの分子ガス、原子ガス、ダスト分布の詳細比較を通して、星間物質の性質および進化過程を理解することを基本的目標とし、銀河系も含む系において、力学的相互作用が星間物質の構造、運動、さらに星形成にどのように影響しているかを、実証的に明らかにすることを目指している。本年度は、次の分子雲探査を集中的に行った。1)なんてんの分子雲地図をガイドとし、オーストラリアのMopra望遠鏡(口径22m)で大小マゼラン雲の高分解能観測を行い、大マゼラン雲では質量が10^5太陽質量以上の分子雲、小マゼラン雲においては北部領域の観測を終了した。これによりなんてんに比べて約5倍高い分解能で分子雲の分布が明らかになった。2)南米チリのアタカマ高地(標高4800m)にあるNANTEN2望遠鏡(口径4m)を用いて、大小マゼラン雲の分子雲広域探査を名古屋大学からリモートで遂行した。既知の分子雲や星形成活動の有無によらず高感度でマッピング観測を行うことにより、なんてんでは未検出であった小質量分子雲や、低密度領域をも検出することを目指した。その結果、大マゼラン雲では大質量分子雲の周囲には低密度分子ガスがネットワーク状に存在しているのに対し、小マゼラン雲では分子雲の境界が明確に存在していることが明らかとなった。このことは、金属量や輻射場による違いが星間物質の密度構造形成に影響を及ぼしていることを示唆している。本年度はオーストラリアにて観測を遂行し、さらにSpitzer赤外線天文衛星によるダストとの比較を行い、研究打ち合わせを行うためアメリカを訪問した。本研究費は外国旅費としてこれらの訪問にあてた。
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Research Products
(5 results)