2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 健次郎 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHENG Zhigao 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 光誘起効果 / 光キャリア注入 / 光二次高調波発生 / マルチフェロイック薄膜 |
Research Abstract |
遷移金属酸化物の界面に特有な光誘起効果を探索することが研究の主題である。具体的な方法として、いわゆるマルチフェロイック系に隣接する材料を光励起し、その際生成される光キャリアを注入することによって物性がどのように変化するかを電子輸送、磁化、線形・非線形光学を使って検出することを目標とした。 典型的なマルチフェロイック材料としてYMnO_3をとり、その薄膜をサファイアC面基板上に作製することを試みた。YMnO_3の薄膜作製には基板を通常のヒーター加熱で到達できる以上の温度にする必要があるため、新たにダイオード・レーザー加熱装置を設置し、800℃から1050℃の範囲で条件出しをした。その結果温度によって、エピタキシーの対称性が異なる事を見出した。また雰囲気酸素圧、堆積速度などを調整して、ほぼバルク結晶に近い格子定数をもった薄膜試料を得ることが出来た。ただ、磁気的な性質には大きな温度履歴があり、バルクと異なり基板のストレイン効果ではないかと思われる。さらに強誘電性を調べるために、光二次高調波発生の予備実験を行った。室温から強誘電体であると予想される通り、強い二次の非線形性が室温から低温まで見られたが、ネール温度を反映するような特異な温度依存性は見られなかった。また、二次高調波強度は基板の回転に対してほぼ完全な回転対称性を示し、試料膜面に対して垂直なX_<zzz>成分がほぼ信号の全てを担っていると考えられる。
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Research Products
(1 results)