2009 Fiscal Year Annual Research Report
先進的な3次元比抵抗構造インヴァージョンコードの開発とその実データへの適用
Project/Area Number |
08F08024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上嶋 誠 The University of Tokyo, 地震研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PATRO BANTU Prasanta Kumar 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | MT法 / インヴァージョン / 位相テンソル / 3次元比抵抗構造 |
Research Abstract |
・本研究では,MT法による比抵抗3次元インヴァージョン解析において,表層不均質によるdistortionの影響を受けないインヴァージョンアルゴリズムの開発を目指している.表層の影響を受けにくい電磁場観測量として,電磁場応答関数の位相テンソル(phase tensor:電磁場応答関数であるimpedance tonsorの虚部tensorの左側から実部tensorの逆行列をかけることによって得られるtensor)や,磁場-磁場応答関数があげられる.そのため,まず,位相テンソルを直接逆解析して3次元比抵抗構造を推定するコードの開発を目指した. ・本年度においては,従来のMT法3次元インヴァージョンコードに,昨年度に得た位相テンソルに対する感度行列(Jacobian行列)の表式を組み込み,その変更に応じて,インヴァージョンにおけるデータ更改式を書き換えた.次に,シンセティックな構造モデルにもとづいた位相テンソルを順計算で求め,書き換えたコードを用いてその位相テンソルを逆解析した結果,平均的な比抵抗値が既知である場合に与えた構造モデルの再現が確認された. ・紀伊半島北西部において,微小地震活動と流体存在の関連性を明らかにするための広帯域MT法観測を実施し,電磁場応答関数を推定した.しかし,低調な地磁気活動によってS/N比が悪いデータしか得られなかったため,良好でかつ3次元解析に必要な十分な面的密度と広がりをもった電磁場応答関数を推定することは出来なかった.予察的な2次元解析から,微小地震活動域の下に低比抵抗帯が見出され.微小地震活動に流体が関与している可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)